不動産の仲介手数料について思うこと ~日本とタイの仲介手数料について考える~
昨日のブログで、「確定申告は自分でやった方が良い。税金のことも色々覚えられるし」と書いたのですが、税金の一つ消費税に関して、最近認識を新たにしたことがありますので、今日はそれを書きたいと思います。
それは不動産購入時の仲介手数料についてです。
仲介手数料について
皆様ご存知かと思いますが、不動産購入時の仲介手数料は下記金額が上限となっています。こちらは宅地建物取引業法により決まっているので、これ以上取ると法律違反なわけです。
(不動産の物件価格(税抜き)× 3% + 6万円) × 1.08(消費税分)
ここで、大事なポイントは2つです。
- あくまで上記は上限であり、この金額を規定するものではない
- 3%をかけるのは税抜き価格であり、物件総額ではない
今回はそれぞれについて書いてみたいと思います。
仲介手数料の上限について
まず上限について。本来は不動産会社のボッタくりを防ぐ、消費者保護を目的とした上限であったはずなのですが、いつの間にか目的がすり替わり、物件価格の3%+6万円かかるのが常識になってしまっていますね。
さらに売主と買主を両方見つけてきた場合は両社から3%入って、合計6%。1億円の物件なら600万円が手に入ります。まさしく濡れ手に粟。一つ売るだけで、サラリーマンが年間2000時間近く働いてやっと手に入る年収相当をゲットすることになります。
不動産取引にかかる労力は物件の大小によらず同じ労力のはずなのに、労力に比例せず物件価格に応じて不動産会社の収入が増えるというのは誠におかしな話です。
こんな非常識がまかり通っていて儲かって仕方ないからこそ、日本には不動産業者が山のようにあるのでしょう。
なんと、日本には不動産会社の数は、都心では山のように見かけるコンビニの数の倍以上の数があるのです。いかに不動産業者が「おいしい」商売かが如実にわかるデータと言えます。
ちなみに私も所有しているタイの不動産ではどうでしょうか?
タイでは仲介手数料の上限設定はなく自由市場です。といいますか、そもそも宅地建物取引業法相当のものがなく、ルール無しです。宅地建物取引士でなくても誰でも仲介してもいいんですね、これが。とはいえ、一般的にはやはり3%程度の手数料を取ることが多いようです。まあこの辺りは交渉次第ですが。ただ、買主は手数料を払わず売主のみが払うのが一般的なので、そこは良心的ともいえます。私も購入した際は仲介手数料は払っていません。
※タイでも日系の業者だと、購入側からも3%取るところが多いようです。注意しましょう。
また少し脱線しましたが、日本における物件価格の3%+3%の仕組みにはかなり頭にきているところがあります。特に高額物件の購入においては、です。
最近はその3%に拘らない仲介手数料体系としている不動産業者さんが増えつつあるのは誠によい流れかと思っています。
例えば下記のREDSという業者さんとか、イエツグさんとかですね。
REINSに載っている物件であれば、たいてい取り扱い可能なようです。実際先日購入した1億円のアパートもお願いして仲介可能だったのですが、既に名前入りの買付を入れていたこともあり、残念ながら変更できず今回は利用できませんでした。
是非、試していただいた方の声を聴かせて頂きたいと思います。
こういった体系の業者さんが増えて、3%の常識がなくなることを切に祈っています。
仲介手数料の物件価格は税抜き
つづいて2つ目のトピックの仲介手数料の物件価格は税抜きである、という点です。
恥ずかしながら、私も最近まで気づいていなかったのですが、仲介手数料の物件価格は税抜き価格に3%をかけるのがルール(というか法律の上限)です。
これを知ってか知らずか、税込み価格に3%を掛けて請求してくる悪質業者さんもいるようなので、皆様是非、自身で再計算、確認するようにしましょう。
たいした差はないんじゃないの?と思われるかもしれませんが、それなりに大きいです。
例えば一般的な価格の土地3000万円、建物3000万円のアパートを例にしてみます。
(誤)税込み価格の場合:(6000万円×0.03+6万円) × 1.08 = 200.88万円
(正)税抜き価格の場合:(5778万円×0.03+6万円) × 1.08 = 193.68万円
で7万円変わってくることになります。 くれぐれもご注意を。
なお、建物に消費税が掛かってきて仲介手数料が発生するのは、個人からの購入でなく課税業者さんからの購入で、かつ建売や三為業者からの購入ではなく仲介となるケースのみなので、おそらくあまり多くないケースかと思います。そういった場合は是非チェックしてみてください。
先日私が購入したアパートは仲介で業者さんからの購入だったのですが、不思議なことに非課税業者さんだったので消費税は発生していませんでした。
あと、新築で購入した建売アパートの方は、課税業者さんからの購入ですが間に仲介業者さんが入っていたため上記のケースに相当しました。
早速(いまさらながら)チェックしてみましたが、ちゃんと税抜き価格に対して手数料計算されていたので一安心でした。まあ一部上場企業だったので、さすがに法律違反のリスクは犯さないですかね。
ということで、私も今後も必ずチェックするようにしていきたいと思います。