不動産投資 土地値の調査方法 ~大事なのは組み合わせ調査~
2019年、明けましておめでとうございます。
前回の記事から4時間しか経ってません。大晦日というのに何をやっているんですかね。SEの悲しい性ですね。。(職場での暇つぶしというのが実態ですが)
さて気を取り直して、今回は不動産投資、特に築古アパートを買う際に大変重要となる土地値の調べ方について書きたいと思います。
(先週購入した築古アパート購入の際にも実践したやり方のご紹介です)
築古アパートの購入においては、利回りや立地ももちろん重要ですが、それに加えて土地値かどうかが大変重要な要素になってきます。残念ながら日本においてはRCを除いて、築古の上物には価値はないとみなされますので、土地値の金額となっているかは融資において非常に重要です(いわゆる「積算価格が出る」という奴ですね)。加えて、基本的にはアパート等の不動産の売却価格は土地値を下回ることが余りないので、その金額以下で買うことは大きな損をする可能性を極めて低くしてくれます。
したがいまして、築古アパート購入にあたって正確な土地値を知ることは重要なステップとなります。
不動産投資における熟練の方々にとっては当たり前のお話となるかもしれませんが、私の調査方法についてご紹介とさせて頂きます。
不動産仲介サイトでの相場を調べる
基本中の基本です。下記のSUUMOやHOMES、アットホーム、Yahoo不動産等々
で調べます。
基本的にはサイト共通で載っている土地が多いですし、相場をつかむだけなので全部を回る必要はなく2,3箇所のサイト回れば十分でしょう。 駅距離や広さ等を入力して近い条件の相場を掴みましょう。特に注意したいのは接道条件と整形地かどうかです。公道か私道か、袋地なのか、整形地か不整形かで金額は大きく変わりますので同条件で比較しましょう。
【メリット】
- 現時点(すなわち過去でない最新状況)での相場価格が反映される
- 細かい検索条件設定が可能
【デメリット】
- 当然ながら成約価格ではなく売り出し価格で載っているため、相場より高い金額となりがち。
特にこのデメリットが大きく、これだけを信用して買ってしまうと大けがをする可能性があります。そこで、本当の成約価格を知る必要が出てきます。
土地総合情報システムでの成約価格の調査
成約価格を把握するための公的なシステムが下記、土地総合情報システムでの調査です。「土地総合」と名前がついていますが土地取引だけでなく、住宅やアパート、さらには区分マンションも含めた総合的な不動産取引(成約価格)情報が大量に記録されています。
不動産を購入した方はきっと成約価格のアンケートが届いたことがあると思いますが、それらを集計して登録し、皆の役に立てようという、役所仕事にしてはなかなかよいシステムになっています。
【メリット】
- 10年以上の長期にわたる取引情報が簡単(ものの数分で)に取得可能
- CSVでのダウンロードも可能であるため、Excelで開いてフィルタリングをすることで様々な側面、軸から価格分析可能。
- 不動産サイトにのっている売出価格でなく、成約価格となっている
【デメリット】
- アンケートベースであるため、金額は個々の購入者の自由記載であり、本当かどうか怪しいデータもある。(たまに異常に安い金額データも紛れ込んでたりする)
- 記載されているのは市区郡町村までで正確な住所ではない
- 整形地、台形、袋地等の大よその形の記載はあるが正確な形はわからない
上記見るようなデメリットはあるものの、大量のデータがあるので統計的に見ていけば大よそ正確な値がつかめるかと思います。ここまでの調査で、ほぼほぼ正確な相場感の把握ができるかと思います。
REINSでの成約事例調査
上記までを実施したうえで、ある程度価格に納得できたら、最後にREINSでの成約事例調査を実施しましょう。*1
とはいえ、不動産業者さんでないとREINSは見れません。そこで仲介会社さんに依頼して類似条件での土地成約事例の検索結果一覧とそれぞれの検索結果詳細をもらうこととしましょう。遠慮する必要はありません。こういった調査の費用は仲介手数料に当然含まれると考えるべきです。
ここで調査を断ったり渋ったりするような仲介会社さんは後ろ暗いことがあるか、相当な面倒がり屋で信用できない会社なので取引を見直した方が良いかもしれません。
例えば下記のような不動産会社なら仲介手数料が半額とかになったりします。
これだけで100万円単位で変わってくるので大きいですね。
【メリット】
- アンケートベースではないため、成約価格は間違いなく本物
- マイソクと合わせて確認できるため、該当不動産の詳細情報も含めて比較可能
【デメリット】
- 土地取引情報システムに比べると件数は少ない
- 不動産会社に聞く必要があり、ひと手間かかる
上記のような特徴があるため、この調査は最後のダメ押し的な調査ということでやるとよいかと思います。仲介会社さんの良しあしの見極めのためにも是非お勧めします。
公示地価や路線価
あと、成約価格の調査にはあまり使えませんが、公示地価や路線価も見ておくとよいかと思います。積算価格の算出に役立ちますので。
ただ、特に首都圏では公示地価や路線価と実勢価格の差が大きい(実勢価格の方が高い)です。その辺は割り切って調査することとしましょう。
まとめ
以上、土地値調査にあたっての4つの調査方法をご紹介しました。いずれも一長一短がありますので、大事なことは4つの調査全てを実施して総合的に判断することです。
高い買い物、公開しないように念には念を入れて進めましょう!
*1:REINSとはREAL ESTATE INFORMATION NETWORK SYSTEM(不動産流通標準情報システム)の略称で、建設省及び当センターが共同で開発し、建設大臣から指定を受けた全国4個所の不動産流通機構が運営している不動産情報交換のためのコンピュータ・ネットワーク・オンラインシステムです。